ウェールズのティータイムを代表するお菓子、丸くて砂糖をまぶしたウェルシュケーキ。温かい紅茶と一緒に楽しめば、曇りがちな冬の日でもほっと明るい気持ちにしてくれます。
ウェルシュケーキは、少なくとも19世紀後半からウェールズ各地で愛されてきました。当時は焚き火の上の鉄板で焼かれており、その鉄板の呼び名にちなんで、地域によって「tishan lechwan(リーキ入りのケーキ)」や「cacenni cri(火の上で焼いたケーキ)」と呼ばれることもありました。今ではすべてまとめて「ウェルシュケーキ」と呼ばれ、広く知られるお菓子になっています。
伝統的なウェルシュケーキはサルタナレーズン入りですが、チョコチップやシナモン、オレンジの皮など、アレンジを加えて楽しむこともできます。
どんなときに食べられるの?
ウェルシュケーキは、いつでも楽しめるお菓子です。午後のひと休みに温かい紅茶と一緒に楽しむのはもちろん、かつては炭鉱労働者の昼食の甘いおやつとして親しまれていました。
また、3月1日の1年で最も大切にしている祝祭日「セント・デイヴィッズ・デイ」の食卓にも、欠かせない存在です
ウェルシュケーキの作り方
10〜12個分 | 下ごしらえ:10分 | 焼き時間:1個あたり4〜5分
材料
- セルフレイジングフラワー(ベーキングパウダーを加えた小麦粉) 220g
- グラニュー糖 55g
- マーガリンまたはバター 110g
- サルタナレーズン ひとつかみ〜ふたつかみ
- 卵1〜2個、生地の硬さに応じて
作り方
ステップ1: 小麦粉をボウルにふるい、マーガリンまたはバターを加えて、すり混ぜます。
ステップ2: 砂糖とサルタナレーズンを加え、混ぜ合わせます。
ステップ3: 卵1個を加えて混ぜます。生地がひとまとまりになるように、もしまとまらない場合はもう1個加えます。
ステップ4: 打ち粉をした台の上で生地を伸ばし、厚さが約0.6cmになるようにします。
ステップ5: 約5cmの丸型で生地をくり抜き、油を薄くひいたフライパンやベーキングストーンで、片面4〜5分ずつ中火で焼きます。
ステップ6: 焼き時間は使用する器具によって変わります。焼きすぎると生地が乾燥し、焼きが足りないと中まで火が通りません。焼いている間に触れると弾力を感じ、手につかない状態が目安です(中身が流れ出ないように注意してください!)。
ステップ7: 焼きあがったらグラニュー糖を振りかけます。
このレシピは、ベイカーのキャスリン・ガンターによって考案されました。彼女は町のマーケット内で伝統的なベーカリーを営み、観光客にウェールズの定番お菓子である本物のウェルシュケーキを初めて味わってもらう場としても親しまれていました。