ウェールズは語り継ぐ国です。古代詩から新たな声まで、私たちの創造力が私たち自身を形作り、世界とのつながりを生み出します。私たちは文化を未来の世代のために守りながら、時代とともに進化できるよう支えています。「日本におけるウェールズ年“Year of Wales in Japan 2025”」は、この文化を世界と共有し、祝福する取り組みをさらに深くするものです。
ウェールズ・ジャパン2025プログラム は、映画・音楽・文学・舞踊・演劇・視覚芸術・技術・イノベーションといったジャンルを横断する、著名な国際アーティストやプロジェクトを結集します。ウェールズ・アーツ・インターナショナル、ブリティッシュ・カウンシル、ウェールズ政府が共同で主導し、このプログラムは、ウェールズの文化的ウェルビーイングと持続可能性を強調しています。今年は、ウェールズの先駆的な「未来世代のためのウェルビーイング法」制定から10周年を迎える年でもあります。
この文化プログラムは、「日本におけるウェールズ年“Year of Wales in Japan 2025”」の他の活動と連携し、同法の10年間で得られた知見を共有するとともに、両国の創造力を結集して新たな経済機会を探る場ともなります。たとえば、メディア・カムリ(Media Cymru)が主催する貿易ミッションもその一環です。
この活動の核心には、ウェールズと日本の関係をより深めるという強い決意があります。新たなパートナーシップを探求し、創造的コラボレーションを喚起し、共同投資の機会を開くことを目指しています。
伝統的な陶芸や実験音響、ユース合唱の交流、参加型演劇に加え、メディア革新を通じてグローバルな業界のあり方を変える可能性のあるプロジェクトまで、このプログラムはウェールズの多彩な創造力を紹介しながら、文化を超えた相互理解を育んでいきます。
「日本におけるウェールズ年“Year of Wales in Japan 2025”」において、文化プログラムは、数千キロ離れた国々を、共有の価値観、創造への意欲、芸術の力を通じて、よりつながりの深い持続可能な世界を築く道筋で結ぶ場となります。
このプログラムを通して、ウェールズと日本の各地のオーディエンスには、つながり、創造性、そしてよりよい未来への共通のコミットメントに基づく文化交流の一端を体験することができます。
以下は、両国の誇る文化と、それを結ぶ未来へのヴィジョンを探る機会の数々です。
HIJINX THEAETRE(ハイジンクスシアター)
「MEET FRED(フレッドに会おう)」日本ツアー
- 2025年9月25日〜10月8日
- 東京|鳥取|大阪
カーディフ拠点のHIJINX THEAETRE(ハイジンクスシアター)は、包括的な表現を重視し、学習障害や神経発達多様性のある出演者を交えた作品で国際的に高く評価されています。この「MEET FRED(フレッドに会おう)」を、鳥取の 鳥の演劇祭”BIRD” THEATRE FESTIVAL で上演するとともに、東京ではインクルーシブアートの団体 SLOW LABEL(スローレーベル) と協働したワークショップや交流活動も行います。


持続可能な開発目標(SDGs)に関する対話/ディスカッション:大阪・関西EXPOおよび英国大使館(東京)
- 10月7日(大阪・関西EXPO)
- 10月9日(英国大使館東京)
10周年を迎えるウェールズの「未来世代のためのウェルビーイング法」に基づく成果とSDGsに関する取り組みを共有するため、2つの主要なイベントを開催します。
10月7日には、NGO・草の根団体・市民社会リーダーなどを交えた一般向けイベントを行い、デレック・ウォーカー(未来世代委員)や前任大臣 ジェーン・デイヴィッドソンがウェールズの包摂的かつ未来志向の政策モデルについて語ります。
10月9日の英国大使館でのハイレベルSDGsラウンドテーブルには、日本の国会議員、学者、企業リーダーを招待し、気候政策、循環型経済、世代間公平性などをテーマに議論します。ジェーン・デイヴィッドソンと デレック・ウォーカーによるプレゼンテーションを通じて、政策・ビジネス対話を促進し、ウェールズの持続可能性の取り組みを日本と共有します。
Only Boys Aloud(オンリー・ボーイズ・アラウド):日本合唱ツアー
- 2025年10月8日~15日
- 大分|北九州|広島|東京
世界的に評価の高いウェールズの若手男性合唱団 Only Boys Aloud(オンリー・ボーイズ・アラウド) は、2025年オータムネーションズシリーズでウェールズのラグビーチームを温かく迎えてくれた北九州、熊本、大分の日本のユース合唱団とコラボレーションします。
Media Cymru(メディア・カムリ):日本訪問
- 場所:東京
Media Cymru(メディア・カムリ) は「日本におけるウェールズ年“Year of Wales in Japan 2025”」の一環として、ウェールズのメディア業界リーダーとクリエイティブ専門家を率いて5日間の東京訪問を行います。
カーディフ首都圏をメディア革新の世界的拠点に育てることを目指し、NHK、よしもと、銀座ソニーパーク、チームラボなどへの視察、高次会議、文化交流、ショーケースイベントが予定されています。また、カーディフ大学に拠点を置く Media Cymru (メディア・カムリ)の Professor Sara Pepper (サラ・ペッパー教授)と Producer Gavin Johnson(ギャビン・ジョンソンプロデューサー) は、日本でのメディア・クリエイティブ産業の学術関係者とも交流を図ります。
阪急英国フェア
- 2025年10月8日~21日
- 大阪・梅田本店
58回目を迎える阪急英国フェアは、日本で最も歴史のある英国テーマイベントの一つで、毎年20万人以上を動員します。今年のテーマ「カントリーサイド」では、ウェールズのティールーム「Tu Hwnt l’r Bont」が初めて日本に登場します。他に5社のウェールズの食品・飲料ブランドも出展し、多様で高品質なウェールズ産品を日本の観客に紹介します。
Cian Ciarán(キアン・キアラン):「Rhys a Meinir(リース・ア・メイニール)」再解釈
- 2025年10月11日~23日
- 東京|大阪
- 東京のチームラボボーダレスにてプレミア公演/大阪・関西EXPO UK パビリオンでのトーク・ショー
- 伝説的ウェールズのロックバンド Super Furry Animals(スーパー・ファーリー・アニマルズ) の Cian Ciarán(キアン・キアラン) は、フォーク物語「Rhys a Meinir(リース・ア・メイニール)」を、2台の自動演奏ヤマハピアノを用いた作品として、東京のデジタルアート美術館、チームラボボーダレス で初演します。
元々 BBC ナショナル・オーケストラ・オブ・ウェールズと俳優 Rhys Ifans によって語りと音楽で演じられたこの物語を、新たなスコアで再構成したものです。
GWENNO(グウェノ):『UTOPIA(ユートピア)』日本公演
- 2025年10月12日~23日
- 東京
受賞歴のあるウェールズ・コーニッシュのシンガーソングライター兼サウンドアーティスト Gwenno (グウェノ)が、ウェールズ語、コーニッシュ語、英語の三言語で構成された最新アルバム『Utopia(ユートピア)』を携え、東京各地でインストアライブやラジオ出演を行います。
クリエイティブ産業ショーケース:英国大使館、東京
- 2025年10月14日
「日本におけるウェールズ年“Year of Wales in Japan 2025”」の一環として、英国大使館で開催される本ショーケースには、Creative Wales(クリエイティブ・ウェールズ)、Media Cymru(メディア・カムリ)、Bad Wolf Studios(バッド・ウルフ・スタジオ)、Wales Arts International(ウェールズ・アーツ・インターナショナル) など、ウェールズのクリエイティブ業界を代表する40名以上が参加します。映画、テレビ、アニメーション、音楽、舞台芸術をテーマに、共同制作、コンテンツライセンス、文化交流の可能性を話し合うパネル討論や、Only Boys Aloud(オンリー・ボーイズ・アラウド) や Gwenno(グウェノ) の演奏も予定されています。
Theatr Cymru(シアター・カムリ) / National Dance Company Wales(ナショナル・ダンス・カンパニー・ウェールズ):『Dawns y Ceirw』(ダウンス・ア・ケイル)&創造的言語テクノロジー・ワークショップ
- 2025年10月15日~23日
- 東京(世田谷アートタウン2025 三茶de大道芸)|北海道・白老(UPOPOY 国立アイヌ民族博物館と交流)
作・演出は Casi Wyn(カシ―・ウィン、ミュージシャンでかつ 22–23 年度子ども詩人桂冠詩人)による本共同制作は、日本初上演となります。東京・世田谷ストリートアーツ祭で若年層向け公演を行うほか、北海道・白老の UPOPOY(ウポポイ、国立アイヌ民族博物館・パーク)と連携し、Sibrwd (シブルード)技術の応用をめぐる創造技術ワークショップを実施し、日本の先住民族言語や他地域言語への応用可能性を探ります。
WALES ARTS INTERNATIONAL (ウェールズ・アーツ・インターナショナル)/ ORCHARD MEDIA(オーチャード・メディア) & S4C:『Pethau Bychain(小さなこと)』
- 2025年10月15日
- 会場:東京|オンライン(S4C グローバルプラットフォーム)
本プロジェクトは、日本在住のアーティスト、森順子氏をはじめとする 7 名のアーティストと、詩人 イエスティン・ティン によって展開されます。ウェールズのウェルビーイング文化を祝しつつ、サン・デイヴィッドの精神「小さなことを行う」を体現し、他大陸間でつながる意味ある交流を生み出す多言語映像作品です。
Keltronika(ケルトロニカ):視覚・音響で表現するケルト文化の融合
- 2025年10月16日
- 東京
ウェールズのロック界の象徴 Cian Ciarán(キアン・キアラン)と Gwenno(グウェノ) に加え、アーティスト兼グラフィックデザイナー Mark James(マーク・ジェイムズ)、アンビエント音響作家 Dean Lligwy(ディーン・シグウィ) が、東京青山の WALL & WALL において、現代ウェールズ文化を表現する独創的なライブ体験を展開します。グウェノはコーニッシュ語・ウェールズ語・英語での楽曲を披露し、マーク・ジェイムズ は “Anomalies(アノマリーズ)” や “Mountain People(マウンテン・ピープル)” などの作品、ディーン・シグウィは本イベントのために制作されたブリソニックな音響を初公開します。

Kreu Media(クルー・メディア):日本におけるウェールズ — 言語と映画
- 2025年10月23日~30日
- 東京|逗子
ウェールズの映画監督・ミュージシャン Griff Lynch(グリフ・リンチ) がキュレーションする6本の語らくウェールズ語映画を、日本ウェールズ協会、シネマ・アミーゴ、下北沢トリウッド、さらに逗子で上映します。短編オープニング作品では、日本人ウェールズ語話者である小池武史氏と中内祐子氏の物語を通じて、ウェールズの芸術・詩・映画との出会いから言語への情熱がどう紡がれたかを描きます。
Parthian Books(パーシアン・ブックス):『Transplantable Roots(移植可能な根)』 — 文学・歴史・写真を通じた文化交流
- 2025年10月5日~19日
- 大阪|東京
- 日本ウェールズ協会と連携
本プログラムでは、作家・アーティスト Susan Karen Burton(スーザン・カレン・バートン)、Eluned Gramich(エリネッド・グラミッチ)、Catrin Menai(カトリン・メナイ)、Elin Gruffydd(エリン・グリフィズ) の4名が日本でのクリエイティブ・レジデンシーと文化交流に参加します。日本ウェールズ協会と連携し、大阪・東京での一般公開イベントも実施します。
リテラチャー・アクロス・フロンティアーズ&ウェールズ・リテラチャー・エクスチェンジ:『2匹の龍の物語』 — 物語を通じてウェールズと日本をつなぐ
- 2025年10月23日~11月4日
- 大阪|神戸|京都
リテラチャー・アクロス・フロンティアーズとウェールズ・リテラチャー・エクスチェンジは、大阪府立国際児童文学館(IICLO)および日本国際児童図書評議会(JBBY)と提携し、日英ウェールズの児童書制作者・出版社を結んで共同制作と出版交流を行います。日本の著名な絵本作家・長谷川義史氏と、ウェールズのイラストレーター Valériane Leblond(ヴェリアンヌ・ルブロン)、Liz Fenwick(リズ・フェンウィック) らが参加し、新たな創作の架け橋を築きます。
Re-live(リ・リブ):物語 認知症コミック
社会福祉法人健仁会との協働
- 2025年10月~12月
ウェールズ拠点の Re-Live(リ・リブ) と日本の社会福祉法人 健仁会 が共同し、認知症の方々、ご家族、ケア従事者を対象としたバイリンガル(ウェールズ語・日本語・英語)コミックを共創します。本作は漫画店、認知症ケア施設、文化施設、政策担当者向け拡散も予定されています。
Mari Wirth(ヴィルト マリ) × グリーンバード姫路
- 2025年11月14日~16日
- 姫路市
ウェールズ出身のペーパーカットアーティスト兼イラストレーター Mari Wirth(ヴィルト マリ) が故郷姫路で、街のボランティア団体「グリーンバード姫路」と協働し、持続可能性とグリーン社会をテーマとした活動を展開します。「美しくする心から街をきれいにする」理念のもと、地元での清掃活動や創作活動を通じて地域と文化をつなぎます。


Amgueddfa Cymru(アムグエドファ・カムリ)&大分県立美術館:アーティスト交流
- 2025年11月16日~30日
- 大分県
ウェールズ国立博物館(Amgueddfa Cymru)と大分県立美術館(OPAM)との長年にわたる提携の新局面として、先住民の織物技術や図案に焦点をあてたアーティスト・レジデンシーを展開します。ウェールズの織物アーティスト Llio James (リリオ・ジェームス)が大分へ渡り、竹工房とのコラボレーションやワークショップ、展覧を行います。将来的には逆に竹工芸家がウェールズを訪問する交流も見据えられています。
カーディフ・アニメーション・フェスティバル × 新千歳国際アニメーションフェスティバル
- 北海道(新千歳空港国際アニメーションフェスティバル):11月21日~25日
- オンライン:12月1日~8日
ウェールズと日本の豊かなアニメーション文化と物語性を結び、北海道会場では、ワークショップや若手映像制作者の育成プログラム、レジデンシー企画、来場者向けのウェールズ・アニメーション作品上映などを実施します。
Plas Glyn y Weddw(プラス・グリン・ア・ウェズヴ) × 森順子 & John Egan(ジョン・イーガン)
- 2025年11月~12月
- 山梨県・富士河口湖町(大石)|ウェールズ・ラントベドログ
- Coed/Coexist ウェールズと日本、 レジデンシープログラム(Mt.Fuji Wood Culture Society )
Coed/Coexist(コイド・コ―イクジスト) は、Pen Llŷn を拠点とするアーティスト、森順子と John Egan(ジョン・イーガン) によって始められたプロジェクトで、樹木や林地、そしてそれを取り巻く生態系や人間との関わりに目を向けています。この度、Mt Fuji Wood Culture Society と連携し、ウェールズの木工家 Rae Morris を日本に、また選定された日本のアーティストをウェールズに招く約1か月のレジデンシー交換を行います。
RHODRI DAVIES(ロドリ・デイヴィス):日本ツアー
- 2025年12月12日~24日
- 東京|京都|大分|大阪|北海道
著名なウェールズの実験的ハープ奏者 Rhodri Davies(ロドリ・デイヴィス) は、日本各地で5公演と1録音セッションを実施します。彼は、長年にわたり日本の即興・実験音楽アーティスト(遠藤ふみ、蒼波花音、すずえり、秋山徹次など)と共同作業を続けており、本ツアーでもその豊かな交流を具現化します。
PYS MELYN(ピース・メリン):日本ツアー
- 2025年12月
- 東京|大阪
ウェールズ語ポップ/インディー音楽を手がける Pys Melyn(ピース・メリン) にとって、今回が初の日本ツアーとなります。日本のオーディエンスに向けて、彼らの音楽世界を届けます。
ウェールズ・ジャパン2025プログラムは、すでに両国で強い協働と創造的結びつきを生み出しています。
神戸ではウェールズのアーティスト、フレイヤ・ドゥーリ―とクレア・チャールズがAiRKにて2週間の特別レジデンシーを行い、新たなサウンド作品とオンラインラジオを通じ “共聴” を探る実験を展開しました。
ウェールズ・カーディフでは、Tessa Gray(テッサ・グレイ) と日本・ウェールズの協働チームが “Choci Loni meets Tobiume(Choci LoniがTobiumeと出会う)” を通じ、音楽・動き・視覚芸術を融合した作品を共同創造しました。
また、アべリストウィスで開かれた国際陶芸祭では、日本の名匠 ユアン・クレイと 西川郁が伝統技術、持続可能な窯作り、現代的金継ぎワークショップを通じて参加者と交流しました。
京都・大阪では、ウェールズのアーティスト、ヘザー・パーネル とスー・ハント が近畿大学・美術部門、Art Spot Korin、病院施設と連携し、紙・包装・贈答・アートと健康・ウェルビーイングの関係を探るワークショップと交流を行いました。
ウェールズと日本の文化的つながりに関する詳細は、以下のウェブサイトをご覧ください:
wales.com