おいしい食べ物はおいしい素材で始まります。素晴らしい食べ物や飲み物を生産することに、私たちは深い理解と心得を持っております。その心得は、最高級のものを栽培、飼育、捕獲するのに最適な環境、つまり、870マイル(1,400km)の海岸線で縁どられた牧草地、山、森の風景の中で、何世紀、何世代にもわたり、私達に受け継がれてきました。

アメリア・エイリクソンは、ウェールズで最も高く評価されたレストラン、イニシャーの共同経営者です。「必要なものを全て地元で調達するのは、農業と漁業の文化」と彼女は捉えています。「長年ウェールズには世界最高の食材があります」

Len Walters on his fishing boat in the water off Cardigan Bay
tray of fish produce
Fisherman holding freshly caught crab
レンとマンディ・ウォーターズ、今日の獲物

今では十数種類の特産品がPGI(地理的表示保護)またはPDO(原産地名称保護)を受けております。ウェールズのラムとビーフ、塩とリンゴ酒、そしてコラクル(網代舟)で釣ったサーモンが、不動の地位を築いたパルメザンチーズやシャンパンのように、グローバルネームに加わりました。

塩のようなちょっとした材料でさえも、ハレン・モンのアングルシーのシーソルト(海塩)であればグルメ珍味になる、と創業者アリソン・リア=ウィルソンは語ります。「ウェールズで手作りされているものだから、あなたが食べているのはウェールズの海の景色の一部。私たちの塩は、世界最高であると信じています。」

Inside Halen Môn giftshop
ハレン・モンのギフトショップ

彼らは、アングルシーと本土とを隔てる純粋な水源、メナイ海峡から引いた水を使用しています。「地産品は素晴らしい」とアリソンは言います。「私たちは地元産のラムやビーフが大好き。海からは美しいムール貝、牡蠣、素晴らしい野生のスズキ、ロブスター、蟹が獲れるの。」

熟練した生産者たちは、これらの原材料を使って驚くべきことをやり遂げております。オランダ生まれのチーズメーカー、ジョン・サヴェージ=オンストウェッダーのテフィ・チーズが取り扱う製品の中に、イギリスの最高賞を受賞したチーズ、ケルティック・プロミスがあります。「私たちは生乳チーズメーカーなので、ミルクの品質は本当に最高のものでなければならない。そうでなければ作ることができないんだ。」とジョンは言います。

Matt Powell foraging
Foraging finds
フォレジングするマット・パウエル

ウェールズにとって、地元が産地であることは大事なことです。ハイウェル・グリフィスは、2017年のウェールズのAAレストラン・オブ・ザ・イヤーに選ばれた、ガウアー半島にあるビーチ・ハウスの料理長です。ハイウェルにどこから魚を仕入れるか尋ねると、彼はレストランのテラスから数百メートルのところにあるオックスウィッチ湾で揺れているボート群を指さすでしょう。彼は、地元ウェールズ産のポーク、ガウアー塩性湿地産ラム、数マイル離れた農園からの旬の果物と野菜を使います。サンフィア、ハマミズナ、ラムソンは自ら採集します。

フォレジング(採集)は最近とても流行っていますが、ディフィ蒸留所のダニー・キャメロンは、マハンスレスの近くの彼の故郷では、それは常に田舎の生活の一部でした。「メドウスイートは3,000年前からエールに風味をつけるのに使われている植物で、ディフィでは何世代にも渡り広く採集されてきたんだ。」とダニーは言います。

Green, natural produce collected from foraging
Free roaming cows
ウェールズのフォレジングと風景

ダニーは、それをさらに少し発展させ、彼のポリネーションジンには20種類以上の地元で採集されたハーブが含まれています。「ここは、素晴らしい植物の多様性に恵まれ、汚染レベルは非常に低い。フォレジングの楽園なんだ」と彼は語ります。

ウェールズは、非常にクリーンな国であると同時に、コンパクトであり、それは最高の飲食物の生産者たちがお互いに知り合いであることを意味します。これによりいくつかの珍しいコラボレーションを生み出しています。アングルシーのハレン・モンの塩は、スランボイディのノムノムチョコレートに使われています。アマンフォードを拠点とするコールタウン・コーヒーは、ロンザのルージュ・プリザーブスが製造するエスプレッソ・マティーニ・マーマレードの主要な材料です。

 

Brewery machine with door open
モンティーズ・ブルワリー

そしてモンゴメリーには、受賞歴のあるモンティーズ・ブルワリーがあり、醸造責任者のパム・ハニーマンは、廃棄ビールの粋な処理方法を見つけました。「醸造時に1~2樽の余分が出るので、それを、イヴォル・ハンフリーズがウェールズ牛を飼育している数マイル離れた農場へもっていくの。そこに暮らす牛たちが、1日2~3パイントを飲んでくれるのよ。」と彼女は言います。

こちらは、2019グッド・フード・ガイドのシェフ・オブ・ザ・イヤーに選ばれたガレス・ウォードがイニシャーで使用する唯一のビーフです。「どこでも食べられるようなビーフは絶対にメニューには入れないと言い続けてきたんだ。しかし、イヴォルが彼のウェールズ牛のサンプルを持ってきた時には、私は完全に圧倒されてしまったよ。」

同じような原則が、ウェールズ各地で採用されています。新しい世代のシェフ、醸造業者、パン屋、蒸留業者(そして、言うまでもなくチーズメーカー、ジャムメーカー、ショコラティエ)は、素晴らしい仕事をするために、高品質の材料を探していますが、それらを目と鼻の先で見つけることができます。求めていた素晴らしい材料は、いつもすぐそばにあったのです。

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